『犬と猫と人間と』
ひとりごと | 2010.05.07 Friday
観に行って来ました
偶然飛んだサイトで知ったこの映画が隣街で自主上映されるのも何かのめぐり合わせのような気がして・・・
この映画はひとりの猫好きのおばあさんの「不幸な犬猫を減らしたい」という思いから始まります
おばあさんは「自分が資金を出す」と言ってドキュメンタリー映画を撮り続けてる監督の元を訪れて映画を作ってくれるように頼みました
犬猫に特に関心のなかった監督は最初はもちろん戸惑いの方が大きくておばあさんに他の方法(保護センターへの援助など)を薦めたそうです
でもおばあさんの意志は固く、数回会ってる内に監督の心を動かすことに成功しました
空前のペットブームの到来と言われて久しい日本
わたしの周りにはいつも幸せそうな顔をして大好きなパパやママと一緒に過ごしてるわんこしかいません(もちろんネコさんも)
でもその陰で年間30万頭近くの犬と猫が処分されている
直視したくない現実
少し前にテレビのニュースで処分のシーンをそのまま放送したことがありました
見てしまった日からしばらく頭から離れなかった
その話を誰かにすることもできなかった
だからこの映画を観に行くことを決めてからもグダグダ悩んだりしてました
わたしなりには一応知ってるつもりでいたから
でもやっぱり観に行ってよかったかな
長い年月をかけて日本のあちこちの施設を取材した監督自身のナレーションはとてもたんたんとしていて決して感情的になることはなくて
どうしても涙してしまうシーンはあったけど
グズグズ泣きながら見るよりきちんと観なくちゃいけないような気にさせられました
行政・民間両方の保護センターがいくつも出てきました
それぞれの施設で働くスタッフの方たちの苦悩・・・どきどき覗く笑顔
野良猫たちをずっと撮り続けてるカメラマンと1年365日猫たちの世話をするその奥さん
山の中の100頭を越す犬たち(みんな捨てられたり連れてこられたコたち)の世話を電気もガスも水道もないプレハブに住み込みで世話をする男性と彼と一緒に活動をする獣医大学のサークルの学生たち
マンションの近くに捨てられてた子犬たちにお年玉でごはんを買って育てる小学生たち
センターから一度はもらわれて行ったのに、そのテンションの高さで戻されてしまった犬
彼を必死でトレーニングするボランティアのトレーナーさんとセンターのスタッフ
少しずつトレーニングの成果が見えて来た時のスタッフのみなさんの笑顔
あまりに色々なシーンがぐるぐるしていてまとまらない
でもたぶん観終わったわたしの中に浮かんだのはパンフレットに書かれていた
「知られざる多くの現実の先にあるのは、感傷を乗り越える、ささやかな希望に違いありません。」
という言葉そのものです
約2時間の上映の後で監督のトークショーがありました
わたしより幾つか年下のとても温和そうな飯田監督
40分のトークショーの中で監督のお話が半分くらい残りは質疑応答でした
手を上げた中に映画にも出てきた大学のサークルの現メンバーの学生さんがいました
他には映画が上映された市で22年前にボランティア施設を立ち上げてがんばっていらした女性の方(かなり高齢でした)
そして他にもかなり高齢の女性からも質問がありました
決して広くはない会場でも空席があったことを残念だと言う声もありました
わたしの世代の人ももちろんいたけど
多かったのは高齢の方
そしてあちこちに学生さんらしき若い人たち
まだまだ全然なんだなぁって思い知らされたり
うん。そうなんだよねって頷けることもあったり
幅広い年代の方々の声が聞けたことも行ってよかったことのひとつ
改めて犬猫の置かれてる現実を知らされて
それでも家に戻って一番気になるのはちょっと微妙などんのお腹の調子
こんなわたしでも何かできることがあるのかどうか考えてみるきっかけを与えてくれた数時間でした
上映はなかなかタイミングが合わないと思うけどDVD化も決まったそうなので興味のある方はぜひ
決して辛く悲しいだけの映画ではないので